パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 まるで初対面の取引先と挨拶を交わしているようだが、初対面でタクシーに乗るなら必要だろう。
「それで仕事で空港へ?」

 高瀬さんは頷きつつ、私に問いかけた。
「ええ。通訳や翻訳をしています。高瀬さんは、今日はこれからどちらへ向かわれるんですか?」
 空港でクライアントを出迎えることはあっても、自分自身が海外へ出る機会はほとんどない。そのため、パイロットという職業には自然と興味が湧き、私は思わず身を乗り出すように尋ねていた。

「今日はヨーロッパですね。先乗りしていたクルーが急病になり、急遽、私が入ることになりました」
 穏やかな口調で話す彼を見ながら、私は改めてパイロットという仕事の大変さを思う。
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