パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 それでも、仕事だけはきちんとこなさなければならない。
 ため息をのみ込みながら、クライアントを見送るため羽田空港へ向かう電車に揺られていると、窓の外では風に乗った桜の花びらがひらひらと舞っていた。

 もう桜も終わりか――そんなことをぼんやり思いながら国際線ターミナルへ向かい、今日も変わることなく発着を繰り返す飛行機と、それぞれの目的地へ向かう人、あるいは帰国した人たちで賑わう空港の中で、私はいつも通り仕事をこなしていく。
 気づけば時刻は、もうすぐ二十時になろうとしていた。
 
 夕飯は……今日もどうせ、父も継母も琴音も外で食べて帰ってくるだろう。作り置きもしてあるし、本当なら何も気にする必要はない。それなのに、不機嫌になる三人の顔が頭に浮かび、私は小さく首を振って、その思考を追い払った。
 
こんな日は、ひとりで何かおいしいものでも食べて帰ろう。そう思った時だった。

「朝倉さん」
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