パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 お礼をしたいと言ってくれているのだから、その厚意を無下にする必要はない――そんな都合のいい理由を心の中で並べながら、私は頷いた。

「大丈夫です。待っています」
 私がそう答えると、高瀬さんは小さく息を吐いた。

「連絡先を教えてもらえますか? 終わったら電話をします」
 そう言われてしまえば、教えないわけにはいかない。私はスマホに自分の電話番号を表示させ、高瀬さんに見せた。
 高瀬さんが自分のスマホに番号を入力すると、すぐに私のスマホが震える。画面には、見覚えのない電話番号が表示された。

「やっぱり、私の番号、登録すらしてくれていなかったんですね」
 悪戯(いたずら)っぽく口元だけを緩める高瀬さんを見て、私は申し訳なくなってしまう。決してあの名刺を捨てたわけではない。

「すみません……」
 恐縮して謝る私を見て、高瀬さんは小さく笑みをこぼした。
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