パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 高瀬さんはただのお礼として誘ってくれただけ。彼女が気にするような関係じゃないのに。
 それでも、さっきまで胸の中を覆っていた重苦しい気持ちは、いつの間にかすっかり消えていた。

 我ながら現金だなと思い、小さく苦笑しながら私は彼を待つため、近くにあったカフェへ足を向ける。
 ターミナル内の落ち着いた雰囲気の店で温かいカフェラテを注文し、それを手に窓際のカウンター席へ腰を下ろすと、大きな窓の向こうでは次々と飛行機が滑走路へ向かっていた。

 本当に今日は、ジェットコースターのような一日だった。

 朝から琴音に理不尽な罵倒を浴びせられ、割れたコーヒーカップを片づける途中で指を切り、その一方で思いがけず高瀬さんに再会し、食事に誘われることになるなんて、朝の時点では想像もしていなかった。

 激しく揺れ動いた気持ちを落ち着かせるように、私はカップを両手で包み込み、立ち上る湯気をぼんやりと見つめる。
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