パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 父にとって私は家の利益になる結婚をさせるための駒でしかなく、継母と義妹にとっては目障りな存在でしかなかったのだから。
 それでも今、こうして子どもたちが笑っている。

 私を呼び、走り回り、毎日を楽しそうに過ごしている。その姿を見れば、朝倉家の娘という肩書きもいらない。
 誰かに認められる必要もない。

 もう二度と戻りたくない過去など、忘れてしまいたかった。
 この子たちさえ幸せでいてくれるのなら、私は何も望まない。

 穏やかな毎日が、この先もずっと続いてくれるのなら、それでよかったのだ。
 もちろん、父親を知らない子どもたちや、この子たちの存在を知らない彼に心が痛まないわけではないが――。
< 5 / 61 >

この作品をシェア

pagetop