パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 高瀬さんは何も言わず私を見つめる。その表情から何を考えているのかは読み取れなかったが、一メートルほど先で足を止めると、ゆっくりと私との距離を縮めてきた。

「やっぱり迷惑だった?」

 それまでの丁寧な口調とは少し違う響きを帯びた声で言いながら、きちんと整えていた髪をくしゃりとかき上げると、前髪がはらりと額へ落ちる。

「いえ、そんなんじゃなくて……」
「じゃあ、どうして?」
 少しだけ強さを帯びた問いかけに、私は申し訳なさと本音が入り混じったまま、言葉を探した。

「高瀬さんみたいな素敵な方が、私みたいな人間と一緒にいるのは迷惑じゃないかと……。高瀬さんがお礼をしたいと思ってくださっていることは、本当に嬉しいんです。でも、私なんかがご一緒していいのかなって……」
 誤解だけはされたくなくて、『嬉しい』という気持ちだけは、きちんと伝えた。

「そう」
 返ってきたのは、それだけだった。
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