愛想のない教育係が、私にだけ甘い理由
『二十一時、庭園で』
挨拶もない、相変わらず素っ気ない文面。けれど、「庭園」の二文字を見た瞬間、胸の中で何かがほどけた。
夜のベンチで、彼が上着をかけてくれた場所だ。
今日は、十二月二十四日。クリスマスイブ。ホテルが一年で一番賑わう日だ。
出勤して、フロントで予約表を開く。個室ディナーの欄を上から順に追っていくと、ある一行で目が止まった。
『十九時 個室「楓」 四宮様 二名(紗英様・お母様) ※伊集院京介様ご同席』
その下に、小さな書き込みがあった。
『担当:水無瀬 ※四宮様ご指名』
「……私が、指名?」
指先が凍りついた。
なぜ? まだ研修中の新人が、このようなVIPの個室を指名で担当するなど、普通ではあり得ない。
挨拶もない、相変わらず素っ気ない文面。けれど、「庭園」の二文字を見た瞬間、胸の中で何かがほどけた。
夜のベンチで、彼が上着をかけてくれた場所だ。
今日は、十二月二十四日。クリスマスイブ。ホテルが一年で一番賑わう日だ。
出勤して、フロントで予約表を開く。個室ディナーの欄を上から順に追っていくと、ある一行で目が止まった。
『十九時 個室「楓」 四宮様 二名(紗英様・お母様) ※伊集院京介様ご同席』
その下に、小さな書き込みがあった。
『担当:水無瀬 ※四宮様ご指名』
「……私が、指名?」
指先が凍りついた。
なぜ? まだ研修中の新人が、このようなVIPの個室を指名で担当するなど、普通ではあり得ない。