愛想のない教育係が、私にだけ甘い理由
十二月三十一日、大晦日。庭園には人工降雪が舞い、無数のイルミネーションが、星空のように重なっていた。
十六時半。エントランスで待っていると、鷲尾専務が数人の役員を伴って近づいてきた。
「水無瀬さん。研修中の方に、お一人で四宮様のお相手とは驚いたよ」
専務は役員たちに向き直る。
「皆さんにお伝えしておこう。この新人は、紅葉フェアのリハーサルで、車椅子の来賓用通路を誤って案内しかけた。それを京介くんが、事を荒立てずに収めてね。そういう人に、四宮様を任せて大丈夫かね」
役員たちの視線が、一斉に私へ向いた。
けれど、設営会社の事務所で聞いた、あの声を思い出した。
「事実です」
自分の声が、思ったより静かに出た。
「あれは、私の確認不足でした。京介さんは、私の名前を出さずに、先方へ頭を下げてくださいました。一人で背負わせてしまったことを、ずっと悔やんでいます。だからこそ今日は、私の名前でお迎えします」
専務の笑みが、わずかに固まった。誰かが、小さく咳払いをした。
しばらくして、エントランスにご夫妻の車が着いた。社長の後ろに、紗英さんが続く。
十六時半。エントランスで待っていると、鷲尾専務が数人の役員を伴って近づいてきた。
「水無瀬さん。研修中の方に、お一人で四宮様のお相手とは驚いたよ」
専務は役員たちに向き直る。
「皆さんにお伝えしておこう。この新人は、紅葉フェアのリハーサルで、車椅子の来賓用通路を誤って案内しかけた。それを京介くんが、事を荒立てずに収めてね。そういう人に、四宮様を任せて大丈夫かね」
役員たちの視線が、一斉に私へ向いた。
けれど、設営会社の事務所で聞いた、あの声を思い出した。
「事実です」
自分の声が、思ったより静かに出た。
「あれは、私の確認不足でした。京介さんは、私の名前を出さずに、先方へ頭を下げてくださいました。一人で背負わせてしまったことを、ずっと悔やんでいます。だからこそ今日は、私の名前でお迎えします」
専務の笑みが、わずかに固まった。誰かが、小さく咳払いをした。
しばらくして、エントランスにご夫妻の車が着いた。社長の後ろに、紗英さんが続く。