神僧物語
 ― 300年以上前 ―

 ある東方の島国は、神の子孫が代々治めてきました。

 ところが、神の血筋でない者に皇位を奪われかける事件が起きたのです。

 ある時の女帝が病にかかった折、1人の僧侶の看病で一命をとりとめました。

 女帝は僧侶を気に入り、朝廷の重要なポストを与えました。

 僧侶はこの勢いで、次期皇位まで譲り受けようと画策しました。

 750年、これを阻止したい朝廷軍と、僧兵軍との戦い『神僧戦(しんそうせん)』が勃発。

 朝廷軍が辛くも勝利したものの、僧侶は今わの際(きわ)に『呪い』を放ちました。

 皇族の誰もが平然とする中で、永逢(とわ)という少女だけが倒れてしまいました。

 幸い、永逢(とわ)は数日後に目覚め、心身に異変はありませんでした。

 こうして、神の子孫が治める国はすべてが安泰…に見えました…。

 ――



<850年、都:帝(みかど)の御所>

永逢(とわ)
「じゃあ…その呪いが効いたのは私だけ?」

叔母
『たぶんね…他には誰も倒れたりしなかったから。』

永逢(とわ)
「私の姿が10年前から変わらないのも?」

叔母
『永逢(とわ)だけさ…。』

永逢(とわ)
「…どんな呪いなのかな…。」

叔母
『わからないけど、私は永逢(とわ)が元気に生きてくれるだけで嬉しいよ?』

永逢(とわ)
「そ…そうだよね!私、カゼもひかないし、元気だから大丈夫…!」

当時の私は、まだ前向きに考えていられた。

たった10年間、姿が変わらないくらい大したことない。

少し大人びていて、実年齢が追いついていないだけ…。
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