後ろの魔王様
教室に戻って陽奈と合流し、人の少なくなった廊下を早歩きで進む。


陽奈が狙っている生クリームこんもりクレープは、かなりの量の生クリームを使うらしい。

確かに、画像を見る限りかなり大量のクリームが使われていた。包むというより、盛るといったほうがしっくりくるくらい。

クレープのキッチンカーは、店舗ではないから生クリームの在庫がなくなり次第閉店とのこと。


「今度、公園広場に来るの来月だから今日絶対食べておきたいのよ」


スマホのSNS情報を確認しながら、陽奈は靴箱で靴を履き替える。


「普段は隣町でやってるんだね」

「そーなの!公園広場に出店するの初なんだって」


公園広場は学校から五分くらいのところにある、だだっ広い自然公園のような場所。

普段はこども連れや犬の散歩をしている人しか見かけないけれど、今日は私たちのような学校帰りの学生が集まっていそう。

特に陽奈みたいな流行に敏感な女の子は、映え写真を求めてきていることだろう……。


ちなみに、私と英くんは食べることが好きなので、写真を撮ることもなく食べ始めてしまう。ただの食いしん坊なのだ。

だから陽奈には「写真撮るんだから一旦ステイ!」と言われて待つのがお決まりになっている。



自然公園が見えてきた。

オレンジ色のキッチンカーを、制服姿の学生たちが囲んでいる。

クレープを片手に、盛り上がっているようだ。


陽奈の歩くスピードが一段階早くなった。
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