冷静な天才外科医の弱点は、私でした
「仲山さん」
「はい」
「医療側の人員を減らすという話なら、俺は賛成できません」
「減らすとは言っていません。優先順位を変えるんです」
「……なるほど」
そこから、また議論が始まる。
嫌ではないし、ストレスもない。
私たちはどちらも譲らないけれど、相手を言い負かそうとしているわけではないからだ。
どちらも「自分の意見を通したい」と思っているわけではなく、最終的に患者さんにとって一番いい形を作りたい。
ただ、それだけ。
だから議論が終わる頃には、
「では、こちらで」
「はい」
「この条件なら医療側も対応できます」
「では経営側も進めます」
自然と、お互いが納得できる結論に落ち着く。
それが心地よくて、何時間でも話せる気がしていた。
そして私は、仕事を通じて少しずつ知っていく。
宗形圭という男が、どれほど規格外なのかを。