冷静な天才外科医の弱点は、私でした



 そして、私が必要としていた医療側のデータが、わかりやすく整理されていた。


「これで上手くいきそうですか?」


 横から足音がして、顔を向けると宗形先生が立っていた。


「昨日の資料だけでは、経営側を説得できないでしょう」

「先生が作ったんですか?」

「必要なところだけ」

「でも、こんなに……」

「君が使うための資料です」


 私は言葉を失った。


「私の代わりに交渉する、とかではない?」


 宗形先生は首を横に振った。


「君ならできます」


 その言葉に、胸が熱くなった。


「必要なところだけ、俺が支える」


 私は資料を宝物のように抱えた。


「……ありがとうございます」

「礼はいらない」

「ですがーー」

「俺も、君に助けてもらっていますから」


 その一言に、頰が熱くなる。

 この人は私を守るために、私の仕事を奪うことはしない。


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