冷静な天才外科医の弱点は、私でした
認めるのは大変だ
それから数日後。
プロジェクトの資料を確認するがてら、私は宗形先生と食事をすることになった。
「ここなら静かですね」
店内は落ち着いていて、仕事の話をするにはちょうどよかった。
私たちは向かい合って座る。
料理を注文して、資料を広げた。
「この数字ですが」
宗形先生が資料を指差した。
「はい」
「前回より少し増えています」
「そうなんです。ここの患者数が――」
私は資料をめくる。
けれど、テーブルが少し狭い。
二人分の資料を広げると、どうしても重なってしまう。
「すみません」
「大丈夫です」
二人で資料を動かす。
「こっちから見たほうがいいですね」
「そうですね」
私は店員に声をかけた。
「すみません。隣の席に移動してもいいですか?」
「もちろんです」
資料を手早くまとめる。