冷静な天才外科医の弱点は、私でした



 今では私の予定まで管理しようとする。


「仲山さん」


 振り返ると、圭が立っている。


「これ、宗形先生が?」

「うん」

「どうして昼休みのことを?」

「昨日、昼を食べてなかったから」

「……見てたんですか?」


 圭は神妙な顔つきで「見てた」と即答された。


「今日は十二時半に昼休み」

「え?」

「会議は十二時まで。次は一時半から」

「……私の予定、全部把握してません?」

「君の体調管理に必要だから」


 真顔だった。

 思わず笑ってしまう。


「圭、ちょっと過保護じゃない?」


 圭は少しだけ黙った。


「今まで我慢してたから……君を気にすること」


 胸が小さく跳ねた。

 圭は続ける。


「恋人になったなら、遠慮する理由がない」


 それだけ言うと、何事もなかったように自分の仕事へ戻っていった。

 本当に、この人は時々さらりと重い。


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