極上チャイナマフィアは、健気なカフェ店主を逃がさない
このコップも祖父母達から譲り受けたものの一つ。揺らめく波紋を閉じ込めたような硝子はなんとも美しく、愛らしい。水出しアイスティーのライトな薄荷(はっか)色の水色(すいしょく)が硝子によく映える。

「よし、アイスティーはこれでオッケー。ケーキのお皿は桜色のオーバルプレートで行こう」

使う食器はその日の気分や、お茶とおやつに合わせて変えている。リピートしてくださったとき、違う食器達との出会いも楽しんで欲しいのだ。
食器もアイスティーも揃った。

あとはケーキを切るだけと思ったとき、ドアベル替わりの、硝子風鈴のりぃんとした澄んだ音がした。お客様が来た。嬉しい!
私はひょいっとキッチンから顔を出して、にっこりと微笑む。

「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

今日は土曜日。
忙しくなりそうだ。
そして、土曜日の夜。
あの人が来る日でもある。
お茶とケーキ。
一人分は置いておかないといけない。
たまには昼とかに来たらいいのにと思いながら、来店されたお客様を案内するのだった。
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