極上チャイナマフィアは、健気なカフェ店主を逃がさない
「……素敵な人だよね……」
ほうっとため息が漏れる。
私はそんな人に「大事」だと言って貰えたのだ。嬉しくて、勘違いしてしまいそうになる。
「私と凌さんなんかじゃ釣り合わない。今のままで、きっと充分なんだよ」
空っぽのお店に虚しく声が響くのを、聞こえないふりをして、想いに耽る。
あのお祭りのときも、費用のことで頼りたくなったけど、まずは自分と商店街の皆の力だけで頑張りたいと胸を張った。
そう、凌さんにこのまま甘えたら、きっと胸を張れなくなっちゃう。
だから……せめて。
凌さんに『助けて』と言ったけど、今、自分で出来ることはしようと思ったのだった。
お店を頑張って再開する。
凌さんと私を繋ぐものは、このお店だ。
このお店さえあったら、私と凌さんは繋がっていられる。
「そうよ。元気出さなくちゃ」
出来ることをして、凌さんがまた来てくれるのを待とう。それがいいと、やっと思い至った。
ガタリと椅子から立ち上がる。
祖父母たちの硝子食器の多くは割れてしまったが、まだ家に少量は残っている。
商店街の人達は私を気遣ってくれて、お店再建に向けてカンパを募ってくれた。涙が出るぐらいありがたいと思った。
再建費用とか、金さんの問題とか、不安になることは沢山ある。またお店がめちゃくちゃにされてしまわないか、という不安もある。
でも、そんなのにやっぱり──
「負けたくないっ」
よし、頑張ろうと思ったとき、お店の扉がバンっと勢いよく開いた。
まさか、凌さんが来てくれたのかと思うと、そこには息を切らした浪川さんがいた。
「あ、浪川さん」
「茉莉ちゃん! やっぱりここに居たんだねっ」
タタっと勢いよく、浪川さんは私の元に来た。
「い、いきなりどうしたんですか」
「実は会長の金さんが、急遽中国に帰るとかで、会長を退任したんだよ!」
「!!」
「しかも、その後任になった人は陳さんとか言う人で、俺達が出した陳述書を読んで、インバウンド店の出店は見送って、俺達と商店街再建に向けて一緒に仕事したいって、さっき俺の店に来てくれたんだよ!」
ほうっとため息が漏れる。
私はそんな人に「大事」だと言って貰えたのだ。嬉しくて、勘違いしてしまいそうになる。
「私と凌さんなんかじゃ釣り合わない。今のままで、きっと充分なんだよ」
空っぽのお店に虚しく声が響くのを、聞こえないふりをして、想いに耽る。
あのお祭りのときも、費用のことで頼りたくなったけど、まずは自分と商店街の皆の力だけで頑張りたいと胸を張った。
そう、凌さんにこのまま甘えたら、きっと胸を張れなくなっちゃう。
だから……せめて。
凌さんに『助けて』と言ったけど、今、自分で出来ることはしようと思ったのだった。
お店を頑張って再開する。
凌さんと私を繋ぐものは、このお店だ。
このお店さえあったら、私と凌さんは繋がっていられる。
「そうよ。元気出さなくちゃ」
出来ることをして、凌さんがまた来てくれるのを待とう。それがいいと、やっと思い至った。
ガタリと椅子から立ち上がる。
祖父母たちの硝子食器の多くは割れてしまったが、まだ家に少量は残っている。
商店街の人達は私を気遣ってくれて、お店再建に向けてカンパを募ってくれた。涙が出るぐらいありがたいと思った。
再建費用とか、金さんの問題とか、不安になることは沢山ある。またお店がめちゃくちゃにされてしまわないか、という不安もある。
でも、そんなのにやっぱり──
「負けたくないっ」
よし、頑張ろうと思ったとき、お店の扉がバンっと勢いよく開いた。
まさか、凌さんが来てくれたのかと思うと、そこには息を切らした浪川さんがいた。
「あ、浪川さん」
「茉莉ちゃん! やっぱりここに居たんだねっ」
タタっと勢いよく、浪川さんは私の元に来た。
「い、いきなりどうしたんですか」
「実は会長の金さんが、急遽中国に帰るとかで、会長を退任したんだよ!」
「!!」
「しかも、その後任になった人は陳さんとか言う人で、俺達が出した陳述書を読んで、インバウンド店の出店は見送って、俺達と商店街再建に向けて一緒に仕事したいって、さっき俺の店に来てくれたんだよ!」