公爵様に、「父親と歳が近い男は嫌だろう?」と言われましたが、私そんなに若くないですけど。
三日後。ルークスは前公爵夫人に頼まれ、ドレスショップに出向いてた。
(まったく母上は人使いが荒い)
お使いなど、普通は使用人に行かせるものだ。しかし今回はドレスショップだったので、令嬢に知り合う機会と見たのか無理やり使いに出された。
ソファーに座り品物が出てくるのを待っていると、数人の令嬢がこちらに視線を向けている。
「団長。もう少し笑顔を作ってはどうです?」
「なに?」
普段は気配を消しているオルドが珍しく声をかけて来る。
「急に笑いかけたらおかしいだろう。怖がらせてしまうぞ」
「団長の場合はそうなりません」
「いやしかし」
「ほら。いつもシエナ嬢と訓練しているでしょう」
(訓練?ああ、そうか。シエナ嬢と女性に慣れる為にと言う口実があったな)
シエナと過ごす時間が楽しくて忘れていた。
「さあ、あの令嬢達をシエナ嬢と思って」
「オルド。もう黙れ」
オルドは素直に黙った。
(こいつはまた面白がっているな)
オルドは一番付き合いの長い部下だ。ルークスに対し萎縮せず言いたいことを言う貴重な存在ではある。
(女性では母上を覗くとシエナ嬢くらいだ)
今日のお茶会も、先に予定があると言われ断られてしまった。
(次に会えるのはいつだろうか)
帰ったらまた誘いの手紙を送ろう。
夫人に頼まれたリボンを受け取り、帰ろうとすると、入り口の扉が開きチリンチリンと小さな鐘が鳴った。