強欲の公爵と呼ばれた元護衛騎士は、私と結婚するためだけに成り上がったらしい
言われた事に、心底驚いているライカンを見て、皇太子も呆気にとられた。
「まさか‥‥嫌々ではないのか」
「嫌な訳がありません。私が望んで叶った婚約だと言うのに」
ライカンが答えると、皇太子の目は丸くなった。
「‥‥皇命ではないのか」
「皇命ではありません」
「「‥‥‥‥‥‥」」
固まった二人だが、先に皇太子が動いた。手を額に当てて唸る。
「‥‥っ。そなた、それでは誤解しか生まないぞ。妹に心底謝れ。何故そんな態度と表情をしていたのだ」
「態度‥‥と言われましても。六つも離れた好意のない男に近寄られても不快なだけでしょう。極力近寄らないようにしてはいましたが」
ライカンの言い分に、皇太子は絶句した。
「そんな考え方で、どういう夫婦関係を望んでいるんだ」
信じられないという顔をしている。
仕方ないではないか。アーリアが成人した今、とりあえず婚約でも結んでおかなければ他国に嫁がされてしまう。これから、ゆっくりと距離を縮めていけたらと思っていたのだ。だがどうにもこうにも、アーリアが避けている気がして、このまま婚約していいものか悩み始めている。
「それでなくても避けられると言うのに‥‥」
ライカンの呟きを皇太子は見逃さなかった。責めるように言った。
「そなたが先に避けていたからだ。アーリアは気を病んでいたぞ。そなたに嫌われていると‥‥」
「私が殿下を嫌う?」
そんな馬鹿な。ライカンがあり得ないと言う前に、公爵家の侍従が慌てた様子で近付いて来た。
短い報告だが、すぐに行かなければならない案件だ。「皇太子殿下、急ぎの用が出来ましたのでこれで」
目の前にいる皇太子に短く断りを入れて、足早に会場から出た。
「まさか‥‥嫌々ではないのか」
「嫌な訳がありません。私が望んで叶った婚約だと言うのに」
ライカンが答えると、皇太子の目は丸くなった。
「‥‥皇命ではないのか」
「皇命ではありません」
「「‥‥‥‥‥‥」」
固まった二人だが、先に皇太子が動いた。手を額に当てて唸る。
「‥‥っ。そなた、それでは誤解しか生まないぞ。妹に心底謝れ。何故そんな態度と表情をしていたのだ」
「態度‥‥と言われましても。六つも離れた好意のない男に近寄られても不快なだけでしょう。極力近寄らないようにしてはいましたが」
ライカンの言い分に、皇太子は絶句した。
「そんな考え方で、どういう夫婦関係を望んでいるんだ」
信じられないという顔をしている。
仕方ないではないか。アーリアが成人した今、とりあえず婚約でも結んでおかなければ他国に嫁がされてしまう。これから、ゆっくりと距離を縮めていけたらと思っていたのだ。だがどうにもこうにも、アーリアが避けている気がして、このまま婚約していいものか悩み始めている。
「それでなくても避けられると言うのに‥‥」
ライカンの呟きを皇太子は見逃さなかった。責めるように言った。
「そなたが先に避けていたからだ。アーリアは気を病んでいたぞ。そなたに嫌われていると‥‥」
「私が殿下を嫌う?」
そんな馬鹿な。ライカンがあり得ないと言う前に、公爵家の侍従が慌てた様子で近付いて来た。
短い報告だが、すぐに行かなければならない案件だ。「皇太子殿下、急ぎの用が出来ましたのでこれで」
目の前にいる皇太子に短く断りを入れて、足早に会場から出た。