縁綴り~御曹司は五年越しの妻を愛でる~
※ ※ ※
手紙の返事が来ないまま、時間だけが過ぎた。
諏訪元グループの御曹司で、取締役専務でもある彼が多忙なのはよく知っている。
この五年間でアメリカからの帰国は数えるほどしかなく、いずれも私とは顔を合わせていない。
アメリカ国内で仕事をしている彼とは時差もあり、会話もままならない。
そのため、連絡手段は専らメッセージか手紙だ。
手紙の返事は書かないと言われていたが、時折絵葉書が届くのは私への気遣いなのだろう。
メッセージは一応既読になるけれど、迅速な対応が必要な事柄以外には反応がない。
先日、経済雑誌に載っていた彼は、艶やかな黒い前髪をやや長めにし、無造作に分けて流していた。
記憶と同じ、身長百八十五センチの長身に切れ長の二重の目と長いまつ毛、高い鼻梁と少し大きめの口が小さな顔に完璧なバランスでおさまっている。
頭脳明晰かつ冷静沈着な、諏訪元家の現在三十二歳の若き後継者だ。
手紙の返事が来ないまま、時間だけが過ぎた。
諏訪元グループの御曹司で、取締役専務でもある彼が多忙なのはよく知っている。
この五年間でアメリカからの帰国は数えるほどしかなく、いずれも私とは顔を合わせていない。
アメリカ国内で仕事をしている彼とは時差もあり、会話もままならない。
そのため、連絡手段は専らメッセージか手紙だ。
手紙の返事は書かないと言われていたが、時折絵葉書が届くのは私への気遣いなのだろう。
メッセージは一応既読になるけれど、迅速な対応が必要な事柄以外には反応がない。
先日、経済雑誌に載っていた彼は、艶やかな黒い前髪をやや長めにし、無造作に分けて流していた。
記憶と同じ、身長百八十五センチの長身に切れ長の二重の目と長いまつ毛、高い鼻梁と少し大きめの口が小さな顔に完璧なバランスでおさまっている。
頭脳明晰かつ冷静沈着な、諏訪元家の現在三十二歳の若き後継者だ。