あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
私は何も言えなかった。

「昔から知ってるような……」

湊は少し考えてから、

「ずっと前から好きだったような感じがする」

そう言った。

私は目を逸らした。

泣きそうだった。

「……気のせいだよ」

「そうかな」

「うん」

「そっか」

湊はそれ以上聞かなかった。

でも、その日の帰り道。

私はどうしても聞きたかった。

「ねえ、湊」

「ん?」

「三年前って……何があったの?」

湊の足が止まった。

空気が変わった。

「……三年前?」

「うん」

湊はしばらく黙っていた。

そして、小さく笑った。

「何もないよ」

「本当に?」

「うん」

「じゃあ、どうして突然いなくなったの?」

湊は答えなかった。

「電話も繋がらなかったし、メッセージも返してくれなかった」

「……」

「私、ずっと待ってたんだよ」

その言葉に、湊の表情が変わった。

「……ごめん」

「なんで謝るの?」

「分からない」

湊は俯いた。

「でも……」

しばらくして、ぽつりと言った。
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