あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。




「たぶん、俺は美月を傷つけた」

「……え?」

「だから離れたんだと思う」

私は意味が分からなかった。

「私、何もされてないよ」

「違う」

湊は首を振った。

「俺が忘れたんじゃない」

「……」

「俺は、忘れる前に――」

そこで言葉が止まった。

「湊?」

「……ごめん。今日は帰る」

「待って!」

湊は振り返らなかった。

そのまま歩いていく。

私は追いかけられなかった。
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