あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
*

その夜。

湊は自分の部屋で、一人スマートフォンを見ていた。

写真フォルダを開く。

そこには、高校時代の写真が何枚も残っていた。

文化祭。

体育祭。

放課後の教室。

そして――

美月との写真。

湊はその写真を見つめた。

「……誰だよ」

写真の中で笑っている少女を見ても、名前以外何も思い出せない。

なのに。

胸だけが苦しい。

涙が一粒、落ちた。

「……なんで泣いてるんだよ」

そのとき。

スマートフォンに一件の通知が届いた。

【明日の診察について】

湊は画面を開く。

そこには病院からのメッセージ。

その下に、母親からのメッセージもあった。

【明日、先生から大事な話があるから、ちゃんと来てね】

湊はスマートフォンを伏せた。

そして、引き出しを開ける。

中には、一枚の封筒が入っていた。

表には、震えた字でこう書かれている。

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