あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
*

翌日。

待ち合わせ場所は、

駅から少し離れた公園。

湊が指定した場所だった。

私は公園に向かいながら、

何度もスマートフォンを見た。

昨日のメッセージ。

【じゃあ、会いたい】

たったそれだけなのに、

胸が苦しくなる。

三年前。

突然いなくなった湊。

そして今。

もう一度、

私の前に現れた湊。

何があったのかは分からない。

でも――

今、会いたいと思ってくれている。

それだけで嬉しかった。

公園に着くと、

ベンチに湊が座っていた。

「湊」

私が声をかける。

「美月」

湊が立ち上がった。

「ごめん。急に呼び出して」

「ううん」

「座ろう」

二人でベンチに座った。

少しの沈黙。

風が木の葉を揺らしている。

「……ここさ」

湊が言った。

「なんか、懐かしい」

私は驚いた。

「覚えてるの?」

「いや」

湊は首を振った。

「覚えてるわけじゃないんだけど……」

公園を見渡す。

「知ってる気がする」

私は笑った。

「前にも来たことあるよ」

「俺と?」

「うん」

「何してた?」

「何もしてないよ」

「何も?」

「ベンチに座って、ずっと話してた」

「何の話?」

「くだらない話」

「例えば?」

私は少し考える。
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