あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。


そして、ゆっくり答えた。

「……友達だよ」

湊が笑った。

「そっか」

その笑顔を見ながら、私は思った。

――嘘をついた。

本当は、恋人だった。

世界で一番大切な人だった。

でも。

今の彼にとって、私はただの「知らない女の子」だった。

だから私は決めた。

もう一度、最初から始めよう。

たとえいつか、また忘れられるとしても。

そのたびに、また好きになってもらえばいい。

そして私は、湊に笑って言った。

「じゃあ、これからよろしくね、わたしは美月」

「うん。よろしく、」

三年ぶりに聞いた、彼の声。

それだけで、涙が出そうになった。

でも私は笑った。

だって今日から――

私たちの恋は、もう一度始まるのだから。
< 5 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop