あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
第2話「はじめまして、から」
「じゃあ、これからよろしくね、わたしは美月」
そう言った私に、湊は笑った。
「うん。よろしく、美月」
たったそれだけの言葉なのに。
胸の奥が、どうしようもなく痛かった。
三年前なら。
このあと湊は、私の頭を軽く撫でて、
「よろしくって、もう付き合ってるじゃん」
なんて笑っていた。
でも今の湊は、何も知らない。
私たちが恋人だったことも。
初めて手を繋いだ日も。
初めて喧嘩した日も。
私が泣いたとき、いつも何も言わずに隣にいてくれたことも。
全部。
「美月?」
「……え?」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫」
私は笑った。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「うん」
カフェを出ようとしたときだった。
「待って」
湊の声がした。
振り返る。
「連絡先、交換しない?」
一瞬、息が止まった。
「……いいの?」
「うん」
湊はスマートフォンを取り出した。
「せっかく久しぶりに会えたし」
――久しぶり。
その言葉に、少しだけ胸が痛んだ。
私にとっては三年ぶり。
でも湊にとっては、
「誰だか分からない人との再会」
なのだから。
そう言った私に、湊は笑った。
「うん。よろしく、美月」
たったそれだけの言葉なのに。
胸の奥が、どうしようもなく痛かった。
三年前なら。
このあと湊は、私の頭を軽く撫でて、
「よろしくって、もう付き合ってるじゃん」
なんて笑っていた。
でも今の湊は、何も知らない。
私たちが恋人だったことも。
初めて手を繋いだ日も。
初めて喧嘩した日も。
私が泣いたとき、いつも何も言わずに隣にいてくれたことも。
全部。
「美月?」
「……え?」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫」
私は笑った。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「うん」
カフェを出ようとしたときだった。
「待って」
湊の声がした。
振り返る。
「連絡先、交換しない?」
一瞬、息が止まった。
「……いいの?」
「うん」
湊はスマートフォンを取り出した。
「せっかく久しぶりに会えたし」
――久しぶり。
その言葉に、少しだけ胸が痛んだ。
私にとっては三年ぶり。
でも湊にとっては、
「誰だか分からない人との再会」
なのだから。