あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。

第8話「忘れない君、忘れてしまう君」

「今度、二人でご飯行かない?」

颯にそう誘われてから、三日が経った。

私はスマホの画面を見つめながら、少しだけ悩んでいた。

颯と二人で出かけること自体は、何もおかしくない。

大学時代からの友達だし、今までも何度か二人でご飯を食べたことがある。

でも。

今の私には、湊がいる。

颯のことを疑っているわけじゃない。

ただ、あの日の寂しそうな笑顔が、どうしても頭から離れなかった。

『今週の土曜、空いてる?』

颯からメッセージが届いた。

私は少し考えてから、返信した。

【空いてるよ!】

すぐに返事が来る。

【よかった。じゃあ、昼飯行こう】

【了解!】

そこで会話は終わった。

なのに、なぜか胸の奥が落ち着かなかった。

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