あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
「……私ね」
湊の手を握る。
「颯のことは、大切な友達だよ」
「……うん」
「でも、私が会いたいのは湊なの」
湊が私を見る。
「今日だって、湊から電話が来たとき、すごく嬉しかった」
「……本当に?」
「本当だよ」
私は笑った。
「だから、そんな顔しないで」
湊はしばらく私を見つめていた。
それから、そっと私の手を握り返した。
「……よかった」
小さな声だった。
でも、その手は、いつもより強く私を握っていた。