あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。

連絡先を交換すると、湊が私の名前を登録した。

『桜井美月』

その名前を見つめながら、湊が言う。

「なんか、この名前……懐かしい」

「……そう?」

「うん」

私は笑った。

「じゃあ、またね」

「うん。また」

カフェを出た瞬間。

私は堪えていた涙を拭った。

三年ぶりに会えた。

それだけで嬉しいはずなのに。

どうしてこんなに苦しいんだろう。
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