あなたが私を忘れても、わたしはあなたを忘れない。
*

その夜。

スマートフォンが震えた。

【今日はありがとう】

湊からだった。

私は少し迷ってから返信する。

【こちらこそ】

すぐに既読がついた。

【また会ってもいい?】

心臓が跳ねた。

【もちろん】

【よかった】

そして少し時間を置いて、もう一通。

【なんか、美月といると落ち着く】

私は画面を見つめた。

昔もそうだった。

湊はいつも言っていた。

「美月といると、なんか安心する」

三年前と同じ言葉。

でも、本人は覚えていない。

私はスマートフォンを胸に抱えた。

「……ずるいよ」

誰もいない部屋で、そう呟いた。
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