恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
戸惑うののかの言葉を遮るように、斜め後ろの席から同期の男性社員の佐々木が「久東くん、指示されたデータの整理終わったよ!」と声をかけながら歩み寄ってきた。

「佐々木さんにも今日からこのプロジェクトに入ってもらいます。実務の作業ややり取りは、基本的に彼を通してください」
「えっ……佐々木さん、と……?」

 ののかの顔から、みるみるうちに余裕の色が消え去っていく。
帆高と二人きりになり、言葉巧みに距離を縮めようとしていた目論見は、完璧なまでに砕かれたのだろう。全面ガラス張りのオープンな空間、そして常に第三者が介入する作業環境…帆高の手によって、あざとい罠を仕掛ける隙など微塵もない完全防壁が築かれる。

「……わかり、ました」

 ののかは絞り出すように答えると、爪が食い込むほどぎゅっと資料を握りしめ、震える唇を噛みしめた。

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