恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
昼食の時間となり、和香は同じチームの平俊介と社員食堂のテーブルで向かい合って座っていた。
俊介は和香より一つ年上だが、同期入社ということもあって気心が知れており、普段から仕事の悩みを言い合える数少ない存在だ。
うどんの汁を一口啜った俊介が、箸を止めてふと声を潜めた。
「水瀬、橋川さんのことなんだけどさ」
「橋川さん?…なにかあったの?」
「いやぁ、なにかっていうか……なーんか、あれだよなぁ」
「あれって?」
首を傾げる和香に対し、俊介は周囲を気にするように少し顔を寄せ、言いにくそうに言葉を紡ぎ出す。
「久東君のこと、めちゃくちゃ好きだよなぁって。普段は誰に対してもすました顔してるのにさ。まさかあそこまで露骨に攻めるタイプだとは思わなかったよ」
「……あぁ、うん」
和香は曖昧に濁しながら、手元の小鉢に視線を落とした。
「…水瀬と久東君って、付き合ってるんだろ?」
「へ!?え、あー、うん……まあ、そうなんだけど……っ」
突然の核心を突く問いかけに、和香は思わず声を上ずらせてしまった。
俊介は苦笑いを浮かべながら肩をすくめる。
「やっぱりな。…たぶん橋川さんも、ふたりが付き合ってること知ってると思うんだよ。知っててあからさまに久東君にアプローチしてる」
「……まあ、ね。でも、私たちはここに仕事をしに来てるわけだし……彼女がちゃんと自分の仕事をこなしてくれるなら、それでいいと思ってるんだけど」
「そういうわけにはいかないだろ。不倫ってわけじゃないから会社が人事権を使ってどうこうできる問題じゃないかもしれないけどさ。社会人としての節度ってもんがあるだろ」
「そうだね。それは……その通りなんだけど」
「自分のことになると、途端に腰が引けるな、水瀬は」
図星を突かれ、和香は困ったように眉尻を下げて黙り込んだ。
「でも、こればかりはね……相手が明確にセクハラをしてくるとかでもない限り―…」
そう言いかけて、和香の脳裏に昨日の会議室での光景が鮮明に蘇った。
帆高に無理やりしがみつき、強引にキスをしたとするならば…―。
これはセクハラになるのだろうか。
俊介は和香より一つ年上だが、同期入社ということもあって気心が知れており、普段から仕事の悩みを言い合える数少ない存在だ。
うどんの汁を一口啜った俊介が、箸を止めてふと声を潜めた。
「水瀬、橋川さんのことなんだけどさ」
「橋川さん?…なにかあったの?」
「いやぁ、なにかっていうか……なーんか、あれだよなぁ」
「あれって?」
首を傾げる和香に対し、俊介は周囲を気にするように少し顔を寄せ、言いにくそうに言葉を紡ぎ出す。
「久東君のこと、めちゃくちゃ好きだよなぁって。普段は誰に対してもすました顔してるのにさ。まさかあそこまで露骨に攻めるタイプだとは思わなかったよ」
「……あぁ、うん」
和香は曖昧に濁しながら、手元の小鉢に視線を落とした。
「…水瀬と久東君って、付き合ってるんだろ?」
「へ!?え、あー、うん……まあ、そうなんだけど……っ」
突然の核心を突く問いかけに、和香は思わず声を上ずらせてしまった。
俊介は苦笑いを浮かべながら肩をすくめる。
「やっぱりな。…たぶん橋川さんも、ふたりが付き合ってること知ってると思うんだよ。知っててあからさまに久東君にアプローチしてる」
「……まあ、ね。でも、私たちはここに仕事をしに来てるわけだし……彼女がちゃんと自分の仕事をこなしてくれるなら、それでいいと思ってるんだけど」
「そういうわけにはいかないだろ。不倫ってわけじゃないから会社が人事権を使ってどうこうできる問題じゃないかもしれないけどさ。社会人としての節度ってもんがあるだろ」
「そうだね。それは……その通りなんだけど」
「自分のことになると、途端に腰が引けるな、水瀬は」
図星を突かれ、和香は困ったように眉尻を下げて黙り込んだ。
「でも、こればかりはね……相手が明確にセクハラをしてくるとかでもない限り―…」
そう言いかけて、和香の脳裏に昨日の会議室での光景が鮮明に蘇った。
帆高に無理やりしがみつき、強引にキスをしたとするならば…―。
これはセクハラになるのだろうか。