恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
「と、とりあえず!私たちはもう帰りますから!明日も仕事がありますし……それじゃあ、失礼します!」

 この場から逃げ出すように強引に離れようとする和香に対し、帆高の手はしっかりと彼女の手を包み込み、決して離そうとしなかった。
帆高は最後にもう一度だけ神楽坂を強く睨みつけると、静かに背を向けた。

「帰りましょう、和香さん。このままタクシーを拾いますね」
「うん……」

 背後からの神楽坂の視線を肌に感じながら、二人は夜の街へと踏み出し、滑り込んできたタクシーの後部座席へと乗り込んだ。

夜の都会の街灯が、車内を一定の周期で優しく照らしていく。

 揺れる車内の中でも、帆高が握りしめる和香の手には強い熱が込められており、目的地に着くまで一度として解かれることはなかった。

二人で和香のマンションへいく。
和香は、緊張した面持ちのまま隣の帆高を見上げる。
彼は相変わらず怖いほど端正な顔をしており、同時に何を考えているのかわからないその目が不安になる時がある。
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