恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】

「え……っ、あ、か、神楽坂さんのこと…?ごめんね。海の居場所のこと言われちゃって……」

 慌てて弁明しようとする和香の言葉を遮るように、帆高は抱きしめる腕の力をさらに強めた。

「分かってます。理由を聞けば、それが和香さんにとって合理的な判断だったことくらい理解できます。でも、どこにもいかないでください。絶対に、俺が何とかします」
「……うん」

 耳朶を揺らす甘く熱い吐息に、和香の全身をドクドクと熱い血液が駆け巡っていく。
和香の返答を聞くと、帆高は安心したように小さく息を吐き出し、ゆっくりと彼女を縛っていた腕の拘束を解いていった。

………
…

 海の居場所を握っている神楽坂について、和香は警戒心を一段と強めていた。
だが、あれほど強気だった彼が何故かこれ以上追及して動こうとしないところを見ると、こちらの出方を静かに伺っているのだろうか。
 不安の種は尽きなかったが、今は隣にいる彼の存在が、何よりも和香の心を落ち着かせてくれた。
 二人で順番にお風呂を済ませたあと、帆高がまだ夕食を口にしていないことを知った和香は、手早くキッチンに立った。

 冷蔵庫にあるもので簡単に作った親子丼を差し出すと、帆高はぱっと表情を明るくして大喜びで完食してくれた。

「和香さんの料理、本当に美味しいです。今度は俺が作りますね」

 そう言って嬉しそうに微笑んでくれる姿を見て、和香の胸の奥がじんわりと温かくなる。
(そういう優しいところも、全部大好きなんだよな……)
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