恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
 それに逆上したののかは、腹いせに社内ネットワーク全体へ写真を拡散するという暴挙に出た。

「周りを騙して清純ぶっていたけれど、本性がバレてよかったですね。帆高さんも気づけたんじゃないんですか?」

 ののかは大きな声を張り上げ、隣のフロアから駆けつけてきた帆高へと視線を向けた。
周囲の社員たちも、ゴシップの結末を見届けようと息を潜めて注視している。

「私は…っ、神楽坂さんとは何も…っ、」

 周囲の嘲笑と哀れみの視線が和香に集中する。和香は唇を噛み締め、声が出なかった。

「くだらない噂に踊らされて、よくそんな口が叩けますね」

 静かな、凍りつくような声がオフィスに響き渡った。
帆高はののかを冷たく一瞥すると、迷いのない足取りで和香のもとへ歩み寄り、怯える彼女の肩を抱き寄せて自分の背中に隠した。

「帆高くん…、」
「言っておきますが、これは事実ではありません。どんな工作をされようと、俺が信じるのは和香さんだけですよ。こんな写真一枚で信じるんですか?」

 毅然とした帆高の宣言に、社内がどよめいた。ののかは顔を引きつらせる。

「一枚って…―!この写真が何よりもの証拠でしょう?」
「これは違うんです。今朝、この写真の人から突然抱きしめられました。でも、すぐに拒否して終わっていますし…」

 和香はまだパニックの中にいた。
会社の人にプライベートなことを知られた恥ずかしさもあるが、皆が自分のことを誤解しているかもしれない。
そんな不安があった。
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