恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
 帆高は静かに和香の目をじーっと見つめると、逃がさないようにその両肩を優しく、けれど力強く掴んだ。

「ダメです。和香さんはすぐにそうやって強がって、一人で無理をするところがあるから」
「帆高く……ん?」

 次の瞬間、抗う隙を与える間もなく、強い力で一気に腕の中へと引き寄せられた。
 背中に回された大きな手と、鼻先をくすぐる帆高の上品な香りに、和香の心臓はドキンと跳ね上がる。胸が痛いほど高鳴り、顔が一気に熱くなっていくのが分かった。

「菜子さんが昔からの知り合いだろうと、俺にとっては一切関係ありません。俺がこの手で抱きしめたいのも、一生を添い遂げたいと願うのも、世界中で、和香さんただ一人だけなんです」

 耳元で低く囁かれる、甘く切実な告白に和香は顔を真っ赤にさせる。
和香の耳たぶにそっと唇が触れると、全身に心地よい痺れが駆け抜けた。

「あ、ちょっと…待ってくれる?あの、えっと…帆高君の誕生日プレゼントの話を―っ、」
「俺へのプレゼントですか?それなら、いりませんよ。あ、しいて言うなら…―和香さんの一日を全部俺にください」

 和香をそっとお姫様抱っこをすると、寝室へ向かった。
乱れた呼吸を整える間もないまま、和香はベッドの上に下ろされた。

「ほ、だか、くん―、」

 そのまま帆高の顔が和香の胸元に沈む。
帆高のあの態度を見れば、菜子に何の気持ちもないのはわかる。
心配する必要もないのだ。

―だって、私は彼の妻になったのだから。

 甘いリップ音が響く。徐々に下がっていくその音が、やけに生々しく和香の耳に届いた。
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