恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~
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「…そんなに飲みすぎたわけじゃないのに」
翌朝―…。
カーテンの隙間から差し込む朝日に照らされながら、和香はベッドの中で何度も何度も寝返りを打っていた。
シーツに顔を押し付けても、頭の中を埋め尽くすのは昨夜のあの甘く激しいキスの感触ばかりだ。
あの後、二度目のキスを交わした帆高は、どこか名残惜しそうな瞳で和香を優しくタクシーに乗せ、自宅まで送り届けてくれた。
(なーんで私、あのままキスされちゃったんだろう。拒否しようと思えば、いくらだって避けられたのに……)
『酔っていたから』という都合のいい言い訳にできたら、どれほど楽だっただろう。
だが悲しいことに、意識は嫌になるほどはっきりとしていた。
直前までは確かに心地よいほろ酔い気分だったはずなのに、彼の熱い唇が触れた瞬間、全身の血が跳ね上がって完全に酔いが吹き飛んでしまっていたのだから。
さらに頭を悩ませる原因がもう一つ。
同じチームの後輩である橋川ののかの存在だ。
(よりによって、あんなところで鉢合わせちゃうなんて……。明日から会社でどう思われるんだろう。ののかちゃん、絶対帆高くんのことが好きなはずだし……)
社内での立場や人間関係を想像するだけで胃が痛くなってくる。
「どっちも同じチームなのに……もう、どうしろっていうの……」
抱き枕を抱えて一人で悶々と頭を抱えていたその時、ベッド横のサイドテーブルに置かれたスマートフォンがブブ、と低く震えた。
通知音に背中を押されるようにしてスマホを手に取る。ディスプレイに表示されていたのは、妹、海からのメッセージだった。
『お姉ちゃん、こっちの計画は順調だよ!そっちはどう?本当に会社辞めちゃうの……?』
画面の文字を目にした瞬間、和香の表情から甘い動揺が消え、姉としての真剣な色が戻った。すぐさまフリック入力で返信を打つ。
『問題ないよ!会社の方は気にしないで。そっちは彼氏さんとの話し合い、順調に進んでる?』
海は幼少期から身体が酷く弱く、昔から学校を休みがちだった。
その影響もあって友達も少なく、自分を押し通すことが得意な和香とは対照的に、いつも控えめで大人しい性格に育った。

