恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
実家へと向かう電車の中、窓の外を流れる景色を見つめながら、和香は隣に座る帆高へ静かに語りかけた。
昨日はあまり眠れなかった。
久しぶりの実家訪問というミッションだけではなく、帆高を連れて―となるとひどく緊張する。
それに…―。
今日で“この関係”に終わりを告げて、帆高とはこれまでの関係に戻る予定だった。
帆高もそれを察しているのか今日会ってからも口数が少ない。
電車の中で、若い女性がヒソヒソと帆高へ視線を向けて何やら話している。そんな視線など一切興味ない様子の帆高の横顔を見ながら彼への想いは封じなければと思った。
実家の重厚な門をくぐり、応接室へと通された和香は、そこに座る人物を見て息をのんだ。
「…神楽坂さん、」
「こんにちは。この間はどうも」
「あら、和香―…、それから…そちらの方が付き合っている方ね」
厳格な父と母の向かい側に座っていたのは、和香の見合い相手である神楽坂だった。
高級スーツを完璧に着こなし、優雅にコーヒーを嗜んでいる。
動揺する和香をよそに、父は冷ややかな視線を帆高へと向けた。
「和香。その男が……例の“恋人”とやらさせている若造か」
父の言葉には、あからさまな蔑視が混ざっていた。
「東和商事のエースと言えば聞こえはいいが、要するにただの平社員だろう。我々の一族に連なる男として、話にならん。引き下がりなさい」
容赦のない一蹴。和香の胸がキュッと痛む。
しかし、隣に立つ帆高は、ピクリとも表情を変えなかった。
昨日はあまり眠れなかった。
久しぶりの実家訪問というミッションだけではなく、帆高を連れて―となるとひどく緊張する。
それに…―。
今日で“この関係”に終わりを告げて、帆高とはこれまでの関係に戻る予定だった。
帆高もそれを察しているのか今日会ってからも口数が少ない。
電車の中で、若い女性がヒソヒソと帆高へ視線を向けて何やら話している。そんな視線など一切興味ない様子の帆高の横顔を見ながら彼への想いは封じなければと思った。
実家の重厚な門をくぐり、応接室へと通された和香は、そこに座る人物を見て息をのんだ。
「…神楽坂さん、」
「こんにちは。この間はどうも」
「あら、和香―…、それから…そちらの方が付き合っている方ね」
厳格な父と母の向かい側に座っていたのは、和香の見合い相手である神楽坂だった。
高級スーツを完璧に着こなし、優雅にコーヒーを嗜んでいる。
動揺する和香をよそに、父は冷ややかな視線を帆高へと向けた。
「和香。その男が……例の“恋人”とやらさせている若造か」
父の言葉には、あからさまな蔑視が混ざっていた。
「東和商事のエースと言えば聞こえはいいが、要するにただの平社員だろう。我々の一族に連なる男として、話にならん。引き下がりなさい」
容赦のない一蹴。和香の胸がキュッと痛む。
しかし、隣に立つ帆高は、ピクリとも表情を変えなかった。