恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
6
 気付くと、部屋の中はうっすらと朝の光に包まれていた。
二人とも肌を寄せ合い、抱き合うようにして眠っていたらしい。
 当然、和香だってそれなりに“経験”くらいはある。
だが、久しぶりだったことと、昨夜のような圧倒的な熱量で求められた記憶など過去に一度もなく、起き上がった瞬間に猛烈な羞恥心が押し寄せて顔が真っ赤に染まった。
 シーツをぎゅっと胸元まで引き上げて隠しながら、床に脱ぎ散らかされたお互いの衣服を視線で追い、小さく深い溜息を溢す。

「……こんなふうに……しちゃって、よかったのかな」
「いいじゃないですか」

 独り言のように呟いたはずだったのに、すぐ隣から低く落ち着いた声が返ってきた。
 帆高がすっと、同じように上半身を起こす。
寝起きだというのに恐ろしいほど綺麗な顔立ちと、程よく引き締まった無駄のない筋肉質な体躯。生まれ持った素材からして根本的に自分とは違うのだと、和香は改めて痛感させられた。

「お、おはよう……」
「おはようございます」

薄いカーテン越しに差し込む陽光が、朝の訪れを告げている。

今日が出勤日じゃなくて、本当によかった…と、和香は心底ほっと胸を撫で下ろした。もしこれで仕事だったら、正気を保って出社できる自信がどこにもない。

「寝起きの和香さん、見られてラッキー」
「……っ…、ちょっと!そういうのやめてよ……恥ずかしいから」
「思ってることは言葉にしなきゃ伝わらないでしょ。俺はちゃんと伝えた方がいいと思うんですけど、どうですか?」
「……」

 無言のまま視線が絡み合う。
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