恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
―翌朝
出勤して早々、ビルの一階で一番に声をかけてきたのは帆高だった。
タイミングよくエレベーターに一緒に乗り合わせることになり、和香は猛烈な恥ずかしさから思わず目を伏せてしまう。
同じエレベーターに乗る周囲の社員たちから、チクチクとした好奇の視線を感じる。
「おはようございます、和香さん」
「あー……おはよう、久東くん」
「今日は仕事、遅くなりそうですね」
「うん、そうだね。締め切り近いし」
「じゃあ、一緒に帰りましょうか」
「……え、っと……」
「同じプロジェクトの業務ですから、だいたい同じくらいに上がれると思いますし」
爽やかで完璧な営業用の笑みを向けられ、和香はますます顔を赤くして視線を泳がせた。
(……ちょっと、みんな見てるのに…)
まるで周囲に見せつけるかのようにプライベートなニュアンスを混ぜてくる帆高に困惑しつつも、和香は必死に社内では同じチームの先輩と後輩として振る舞おうと心を落ち着かせた。
フロアに到着し、自分のデスクへ向かうと、隣の席に座るののかとバッチリ目が合った。
「和香さん、おはようございます」
「おはよう、橋川さん」
にっこりと可愛らしく微笑みかけてくれる。
だが、その笑顔の奥には、どことなく冷たくて嫌な雰囲気が漂っていた。
彼女が帆高に密かな好意を寄せていることは、察していた。
プライベートな私情を職場に持ち込んで態度を変えるわけにはいかないし、変わらず仕事仲間として誠実に対処しようと心に決める。
「和香さん、あの〜……あとで、23階の会議室取ってるんで、打ち合わせいいですか? 来月ある、役員向けの資料の件で」
「あぁ、わかった。午後からでいいかな?」
「はい、あとでスケジュール送っておきますね」
ののかと二人きりでの会議室での打ち合わせに少しだけ憂鬱になった。
「どうか個人的な話を振られませんように……」と心の中で密かに祈りながら、午後の訪れを待って23階の会議室へと向かった。
出勤して早々、ビルの一階で一番に声をかけてきたのは帆高だった。
タイミングよくエレベーターに一緒に乗り合わせることになり、和香は猛烈な恥ずかしさから思わず目を伏せてしまう。
同じエレベーターに乗る周囲の社員たちから、チクチクとした好奇の視線を感じる。
「おはようございます、和香さん」
「あー……おはよう、久東くん」
「今日は仕事、遅くなりそうですね」
「うん、そうだね。締め切り近いし」
「じゃあ、一緒に帰りましょうか」
「……え、っと……」
「同じプロジェクトの業務ですから、だいたい同じくらいに上がれると思いますし」
爽やかで完璧な営業用の笑みを向けられ、和香はますます顔を赤くして視線を泳がせた。
(……ちょっと、みんな見てるのに…)
まるで周囲に見せつけるかのようにプライベートなニュアンスを混ぜてくる帆高に困惑しつつも、和香は必死に社内では同じチームの先輩と後輩として振る舞おうと心を落ち着かせた。
フロアに到着し、自分のデスクへ向かうと、隣の席に座るののかとバッチリ目が合った。
「和香さん、おはようございます」
「おはよう、橋川さん」
にっこりと可愛らしく微笑みかけてくれる。
だが、その笑顔の奥には、どことなく冷たくて嫌な雰囲気が漂っていた。
彼女が帆高に密かな好意を寄せていることは、察していた。
プライベートな私情を職場に持ち込んで態度を変えるわけにはいかないし、変わらず仕事仲間として誠実に対処しようと心に決める。
「和香さん、あの〜……あとで、23階の会議室取ってるんで、打ち合わせいいですか? 来月ある、役員向けの資料の件で」
「あぁ、わかった。午後からでいいかな?」
「はい、あとでスケジュール送っておきますね」
ののかと二人きりでの会議室での打ち合わせに少しだけ憂鬱になった。
「どうか個人的な話を振られませんように……」と心の中で密かに祈りながら、午後の訪れを待って23階の会議室へと向かった。