恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
 和香は戸惑うように視線を泳がせる。
だが、どれだけ怯えられようと、今の帆高に彼女を逃がすという選択肢など存在しなかった。
 ソファの上で和香の顔の横に両手を突いたまま、逃げ場を塞ぐようにじっと見つめ返す。 互いの距離が急速に縮まり、絡み合う視線にじわじわと濃密な熱が帯びていく。
帆高はそっと手を伸ばし、彼女の柔らかい唇を指先で丁寧になぞった。

「っ……」

 ビクッと肩を揺らした和香の頬が、みるみるうちに朱に染まっていく。たまらずといった様子で視線を逸らされるのが、かえって帆高の中の暗い独占欲を刺激した。
 正直なところ、あの神楽坂と一緒にいたという事実そのものが気に食わない。
本音を言えば、もっと自分だけを頼り、自分の腕の中に閉じこもっていてほしいとすら思ってしまう。
けれど、和香は、他の女性たちとは違う。
 誰かにすがりついて生きるのではなく、常に自分の足で立ち、自分の力で歩いていこうとする強くしなやかな女性なのだ。
 帆高におんぶにだっこで護られるだけの選択など、彼女が好むはずもない。
昨夜の行動も、彼女なりに必死に知恵を絞り、大切なものを守るためにリスクを冒して神楽坂と会う道を選んだのだろう。
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