双恋〜大好き、でも譲れない!〜
「お友達になりたいの! だから……お昼、一緒に食べない!?」

「……断る。俺は一人で食う」

「えーっ! ケチー! じゃあ明日は!?」

断られてもへこたれず、笑顔で距離を縮めていくまっちゃん。

鳳くんも「しつこい」なんて言いながら、まっちゃんを突き放そうとはしない。

二人の間にある、どこか楽しげで甘い空気。

(すごいな、まっちゃんは……。私なんて、近くにいくことすらできないのに……)

私だったら、あんな風にまっすぐ声をかけるなんて絶対できない。

自分とまっちゃんの差を見せつけられた気がして、私はそっと身を引いた。

「ふふ、絶対に諦めないからね! 鳳くん!」

楽しそうに手を振るまっちゃんの声を聞きながら、私は廊下の壁に背中を預けた。

同じ日に、同じ場所で助けられたはずなのに。

私の心の中に残ったのは、遠くから眺めることしかできない切なさと、ほんの少しの焦りだった。
< 22 / 24 >

この作品をシェア

pagetop