わたしだけの高校生獣医さま
第二話 動物のお世話をしてもイケメン!
「今日は実習があるから覚悟したほうがいいよ」
数学の教科書で顔を隠しながら一条くんにアドバイスをする。
「実習? 楽しそうじゃん。なにすんの?」
「今日は田植えの実習だった気がする」
「日本の田植えか。やったことないな。教えてくれるか?」
そんなことを話しながらも少しずつ一条くんと仲良くなっていった。
附属農場は動物園みたいな匂いがするけれど、学生は香水禁止。香水の匂いが動物にはよくないから。それは伊織ちゃんも守っていた。つむぎ姿の伊織ちゃんを想像すると思わず笑ってしまう。あの子もプライドが高いけれど動物には優しいんだよね。
4時間目が終わると学食の時間。楽しみにしていた時間だ。
安定のぼっちごはん。だけれど、安くて美味しいから気にしない。今日は野菜炒めとご飯、それに豚肉だ。ほとんど全部が附属農場で作られたものだからめちゃくちゃ安い。これだけ食べて300円。野菜とかも販売しているけれど、採算度外視の10円やら20円で売られている。牛乳に至っては廃棄するほどある。ただ、廃棄するのは勿体無いから、わたしはなるべく牛乳も飲むようにしている。お店で買うより味が濃くて美味しいな。
こんなに食べたら太っちゃうかも。でも、午後の実習ではめちゃくちゃ体力を使うんだよね。動物と話せるわたしには実習が一番過酷。聞きたくない声まで聞こえちゃうから。それもあって引きこもり気味。特に命をいただく授業はしんどい。
「よっ! 俺も一緒に食べても良いかな」
わたしの向かいの席に一条くんが座った。
「あ、え、えと。わたしなんかと一緒に食事ですか?」
「うん。俺さ、動物に優しい奴はわかるんだ。今朝、猫と話していた時の小鳥遊さんがすごく可愛かったから……なにかペットを飼ってるの?」
「あ、うちはアパートだから動物禁止で……。でも、動物は大好きです! その分、実習が苦手かな。人間を嫌がる動物も中にはいるし、それに……動物を食べることも勉強のひとつなので」
「なるほどね。確かにハンバーガーやフライドチキンは命をいただいているからな。その気持ちは俺もよくわかるよ」
一条くんは、いただきます、と言ってから、わたしと同じ野菜炒めを食べ始めた。
「日本の野菜は美味しいね!」
「うん! わたしたちが育てているんだよ! って言っても1年生だからまだまだだけど……2年生以上になると家畜の難しい世話とかもするみたい」
「牛や豚なんかの家畜も診察できるから大丈夫だよ。専門は犬や猫などペットの診察なんだけれどね。田植えはしたことないな……小鳥遊さんに教わるのが楽しみだ」
「ええええっ! わ、わたしが教えるんですか? 本物の獣医さんに……」
「俺は日本のことはわからないからな、それに、小鳥遊さんの真っ赤になった顔、可愛いから」
な、わたしにだけ積極的すぎる!?
それにしてもすごいなぁ。わたしも将来は犬や猫なんかのペットを助けるお仕事がしてみたい。わたしは動物看護師という仕事に興味があった。
でもだ……わたしって絶望的に体力がない。中学時代まではほとんどひきこもりだったしな。たまたま合格したのがこのさくら農業高校だったというだけ。最初のうちは普通科の高校に入れなくてがっかりしたけれど、周りの生徒はみんな農業を学ぶことに興味や関心がある子が多かったから、わたしも農業を学ぶことに誇りが持てた。伊織ちゃんみたいに進学校に落ちて、仕方なくこの学校に来た子も少しだけいるけれどね。それでも、今はみんなさくら農業高校に慣れてきた感じ。
数学の教科書で顔を隠しながら一条くんにアドバイスをする。
「実習? 楽しそうじゃん。なにすんの?」
「今日は田植えの実習だった気がする」
「日本の田植えか。やったことないな。教えてくれるか?」
そんなことを話しながらも少しずつ一条くんと仲良くなっていった。
附属農場は動物園みたいな匂いがするけれど、学生は香水禁止。香水の匂いが動物にはよくないから。それは伊織ちゃんも守っていた。つむぎ姿の伊織ちゃんを想像すると思わず笑ってしまう。あの子もプライドが高いけれど動物には優しいんだよね。
4時間目が終わると学食の時間。楽しみにしていた時間だ。
安定のぼっちごはん。だけれど、安くて美味しいから気にしない。今日は野菜炒めとご飯、それに豚肉だ。ほとんど全部が附属農場で作られたものだからめちゃくちゃ安い。これだけ食べて300円。野菜とかも販売しているけれど、採算度外視の10円やら20円で売られている。牛乳に至っては廃棄するほどある。ただ、廃棄するのは勿体無いから、わたしはなるべく牛乳も飲むようにしている。お店で買うより味が濃くて美味しいな。
こんなに食べたら太っちゃうかも。でも、午後の実習ではめちゃくちゃ体力を使うんだよね。動物と話せるわたしには実習が一番過酷。聞きたくない声まで聞こえちゃうから。それもあって引きこもり気味。特に命をいただく授業はしんどい。
「よっ! 俺も一緒に食べても良いかな」
わたしの向かいの席に一条くんが座った。
「あ、え、えと。わたしなんかと一緒に食事ですか?」
「うん。俺さ、動物に優しい奴はわかるんだ。今朝、猫と話していた時の小鳥遊さんがすごく可愛かったから……なにかペットを飼ってるの?」
「あ、うちはアパートだから動物禁止で……。でも、動物は大好きです! その分、実習が苦手かな。人間を嫌がる動物も中にはいるし、それに……動物を食べることも勉強のひとつなので」
「なるほどね。確かにハンバーガーやフライドチキンは命をいただいているからな。その気持ちは俺もよくわかるよ」
一条くんは、いただきます、と言ってから、わたしと同じ野菜炒めを食べ始めた。
「日本の野菜は美味しいね!」
「うん! わたしたちが育てているんだよ! って言っても1年生だからまだまだだけど……2年生以上になると家畜の難しい世話とかもするみたい」
「牛や豚なんかの家畜も診察できるから大丈夫だよ。専門は犬や猫などペットの診察なんだけれどね。田植えはしたことないな……小鳥遊さんに教わるのが楽しみだ」
「ええええっ! わ、わたしが教えるんですか? 本物の獣医さんに……」
「俺は日本のことはわからないからな、それに、小鳥遊さんの真っ赤になった顔、可愛いから」
な、わたしにだけ積極的すぎる!?
それにしてもすごいなぁ。わたしも将来は犬や猫なんかのペットを助けるお仕事がしてみたい。わたしは動物看護師という仕事に興味があった。
でもだ……わたしって絶望的に体力がない。中学時代まではほとんどひきこもりだったしな。たまたま合格したのがこのさくら農業高校だったというだけ。最初のうちは普通科の高校に入れなくてがっかりしたけれど、周りの生徒はみんな農業を学ぶことに興味や関心がある子が多かったから、わたしも農業を学ぶことに誇りが持てた。伊織ちゃんみたいに進学校に落ちて、仕方なくこの学校に来た子も少しだけいるけれどね。それでも、今はみんなさくら農業高校に慣れてきた感じ。

