俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
「はい。律先生のおかげで、不安もなく穏やかに過ごせています」

​律はそこで初めてカルテから目を離した。

​椅子を回転させて葵と正面から向き合うと、胸元から聴診器を取り出し、葵に視線を送る。

​「……診察をする。胸元を」

​静かで完璧な主治医の顔だ。

​律は葵が胸元を少し緩めると、あらかじめ自分の手で温めておいたチェストピースをそっと当てた。

​「……深呼吸。……吸って。……吐いて」

​真剣な眼差しで心音と微細な雑音の有無に耳を澄ませる。

数秒後。

律は聴診器を外し、そっと葵の服のボタンを留め直した。

​「……問題ない。不整脈も出ず、落ち着いた脈拍だ」

​「よかった……!」

​葵は安心し胸を撫で下ろし、柔らかく微笑んだ。

​律は聴診器をデスクに置く、ツンと僅かに顎を引いて椅子に深く背をもたれかけた。

​
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