俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
「……ご苦労。運動後の血圧補正値を記録したら、次の患者のカルテ確認へ向かっていい。帰棟時の付き添いは俺が代わる」

​「かしこまりました。それでは失礼いたします」

主治医による正当な業務引き継ぎとして、PTは礼儀正しく去っていく。

それは何1つ不自然さのない、プロフェッショナルなやり取りだった。

​広々とした屋上庭園に、葵と律の2人だけが残された。

​律は静かな足取りで葵の座るベンチへ近づいた。

白衣の裾を乱すことなく、葵の隣へ少しだけ距離を空けて腰掛けた。

​「……風が冷たくないか、葵」

​静かで、どこまでも低い声だ。

律は周囲に誰もいないことを確認した上で、本来の呼び方で葵に語りかけた。

​「ふふ、大丈夫です、律先生。なんだか……こうして青空の下で律先生と話せるなんて夢みたいです」

​
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