加納欄の空白シリーズ35シーズン4
「争った形跡はあるんですか?」

高遠先輩が、がんさんに尋ねた。

「いや、室内が荒らされた様子はねぇな」

あたしはリビングをぐるりと見渡した。

テーブルの上には、飲みかけのコーヒーが一つ。

「がんさん、玄関の鍵は?」

「掛かってなかったそうだ」

「えっ? 開けっぱなしだったんですかぁ?」

「発見した妹の話じゃ、そうらしい」

大山先輩が腕を組んだ。

「顔見知りを招き入れた可能性もあるな」

「仁、まずは妹さんから話を聞こうぜ」

高遠先輩の言葉に、大山先輩が頷く。

「苫利、妹はどこだ?」

「隣の部屋で待ってもらってます」

苫利先輩が廊下へ向かう。

あたしも後を追おうとして、足を止めた。

「がんさん、このコーヒー、誰が飲んだんです?」

「さあな。今から調べるところだ」

あたしはもう一度、カップに目を向けた。
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