加納欄の空白シリーズ35シーズン4
隣の部屋では、一人の女性が俯いていた。

宮原美咲。被害者、宮原俊介の妹だ。

「南署の大山です。少しお話を伺っても?」

女性相手なので、あたしも、警察手帳を見せた。

「……はい」

美咲さんは、赤く腫れた目を上げた。

「お兄さんを発見されたのは何時頃ですか?」

「午前九時半頃です。兄に届け物があって……」

「玄関の鍵は開いていたんですね?」

「はい。チャイムを鳴らしても返事がなくて」

美咲さんは膝の上で両手を握りしめた。

「中に入ったら、兄が倒れていて……」

あたしは美咲さんの隣に腰を下ろした。

「お兄さん、普段から鍵を掛けない人でした?」

「いいえ。防犯には気を遣う人でした」

「じゃあ、誰かが来てたのかもしれませんねぇ」

大山先輩があたしをちらりと見た。

「最近、宮原さんに変わった様子はありませんでしたか?」

美咲さんは少し考えてから顔を上げた。

「……そういえば、最近、妙なことを言ってました」
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