ENFJホストは、30歳INFJフリーターの初恋でした。
帰りの新幹線の中で。
由夏は流れていく夜景を眺めながら、面接での出来事を思い返していた。
__『採用』
__『むしろ、こっちがお願いします』
__『っしゃ』
「……」
私、今度はここで働くんだ。
今回は、短期でも単発でもない。
試用期間が終われば。
何も起こらない限り、ずっと同じ場所に居る事になる。
__何も、起こらない、限り。
長期のアルバイトと聞いた時。
あまりにも久しぶりに。
同じ場所に居続けるという怖さに。
正直、帰ろうかと思った。
だけど、ここで帰ったら。
話を断ったら。
親友の顔をつぶす事になってしまうかもしれない。
だから、最後まで受けた。
そして、働くことを決めた。
「……今度は、上手くいくかな」
脳裏に浮かぶ過去の記憶。
社会人になってからの記憶。
もしここで。
また同じことが起こったら。
__『これからよろしくな、由夏』
「……先輩」
大好きな人と時間も。
永遠に失ってしまう。
だけど。
「……変わりたい」
心の内で、ずっと抱えていた思い。
もしかしたら。
神様がチャンスをくれたのかもしれない。
このままずっと。
傷を抱えて。
自分に自信が持てないまま。
死んでいくなんて__
「……」
今日はもう。
余計な事を考えるのはやめよう。
窓のカーテンをそっと下ろして。
由夏は静かに目を閉じた。