氷の外科医
冷徹レーザーメス
救急外来での騒動から数日。


美雨は個室の特別病室に移り、ドレーンを留置したまま安静生活を送っていた。



「美雨、体調はどうだ?息苦しさはないか?痛むところはないか?」



朝の回診時間。


白衣を翻して病室に入ってくるなり、裕人は矢継ぎ早に問いかけながら美雨のベッド脇に腰かけた。



「裕人、質問が多いよ〜」



くすくすと笑う美雨に、裕人の心がほっと和む。



「息はすごく楽になったよ。

でも、まだちょっとドレーンが入ってるところがチクチク痛むかな」



「そうか……無理せず安静にしててくれ。
痛み止めは処方してあるから、我慢せず飲んでいい。
強く痛む時はすぐ俺に言うんだぞ」



「わかった」



「よし。じゃあ聴診しよう」



聴診器を首から外し、胸元にあてる手つきは驚くほど優しい。



裕人は愛おしそうに美雨の髪を撫で、おでこにそっと手を当てて熱がないかを確かめた。



職場での冷酷な医者の面影はどこにもない。



「失礼しまーす。

美雨さん、点滴の交換に来ましたよ〜……って、あらあら」



ドアを開けて入ってきた長谷川が、二人の甘い雰囲気を目撃して思わず足を止めた。



後ろからは研修医の佐藤も続いて入ってくる。



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