氷の外科医
裕人の真剣な声に、ベッドの上の美雨は察したように表情を強張らせた。



「…… 私の肺、

治りが悪いんだよね……?」



「……ああ。

肺の傷が思っていたより大きくて、自然に穴が塞がらないんだ。
このまま放置すると熱が出たり、また息が苦しくなってしまう可能性がある」



裕人は美雨の手を優しく包み込み、ゆっくりと告げた。



「胸に数か所、数ミリの小さな穴をあけて、カメラで見ながら肺の傷を直接治す胸腔鏡下手術をやりたい。

……手術をしよう、美雨」



「しゅ、手術……!?胸を切るの……?」



“手術”という言葉に、美雨の顔から一瞬で血の気が引いた。



ドレーンを胸に入れるだけでもあれだけ怯えていたのに、全身麻酔下で体を切られるなんて、考えただけで恐怖が押し寄せてくるのは当然だ。



「……手術なんて……怖い……っ。嫌だよっ……」



「美雨……」



「どうして……?

今すぐ治ってくれたらいいのに……っ」


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