氷の外科医
ポロポロと大粒の涙をこぼし、恐怖で震える美雨。



処置の時以上にパニックになりかける彼女を、裕人は切なさで胸を締め付けられながら、そっと抱きしめた。



「そうだな…。怖がらせてごめん。

……でも大丈夫、手術に関しては安心していい。
うちで一番胸腔鏡手術の執刀件数が多く、信頼できる外科部長の神島先生に執刀を依頼するつもりだし、俺も第二助手として必ず手術に立ち会う」



「え……?

裕人が……手術するんじゃないの……?」



美雨は泣き濡れた瞳で裕人をまっすぐ見つめた。



「……医師として、大切な人を直接切るリスクは避けなければならない。

それが、美雨を守るための最善の判断なんだ」



裕人は苦渋の決断を口にした。


しかし、美雨は首を横に振る。



「……その、神島先生?がどれだけすごい先生でも、私、裕人じゃなきゃ嫌だ……!
手術しないといけないんだったら、裕人がいい……!

お願い、裕人の手で治して……っ!」



まっすぐで切実な美雨の叫びに、裕人は息をのんだ。



「……っ」



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